〈読書〉生きることの美しさとは『パンドラの匣』(著:太宰治)

目次
●しーたんのNetflixベスト3(0:00〜)
●読書ノート(07:15〜)

 

 

こんにちは、しーたんです。

今週は、太宰治の『パンドラの匣』を読みました。

この作品は、結核療養施設である「健康道場」と呼ばれる病院(?)で病と向き合う生活の中で、看護婦さんへの恋心に対する葛藤や仲間の死など、日々の出来事を通して変化していく主人公の若々しい思考回路に、なんだか懐かしい気持ちになれるような、そんな作品でした。

道場の人たちをあだ名で呼ぶところは『坊っちゃん』が思い出されました。

また、序盤では特に思わずクスッと笑ってしまうような場面がたくさんあっておもしろかったです。

特に好きなのは、同室の「かっぽれ」が梅干しを入れたくて「固パン」にらっきょうの瓶を貸してほしいとお願いするも、口論になって散々言い合いをした挙句「かっぽれ」が泣きじゃくるある日の朝のシーン。
昼時には「固パン」がらっきょうの空瓶を綺麗に洗い「かっぽれ」に貸してあげると、「かっぽれ」はお辞儀をして素直に受け取り、

「梅干しを一つずつ瀬戸の小鉢から、らっきょうの瓶に、たのしそうに移していた。世の中の人が皆、かっぽれさんのようにあっさりしていたら、この世の中も、もっと住みよくなるに違いないと思われた。」

この部分がお気に入りです。笑
文章から「かっぽれ」の単純さと素直さがすごく伝わってきて、ほっこりしました。

 

 

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